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1000人のチェロコンサート 東北キャラバン 2015.6.5(金)

category : Cello-Cafeブログ 2015.6.5 

1000人のチェロコンサートに関しては1週間前に書きましたが、実はまだ続きがありまして、1000チェロコンサートに引き続いて行われた「東北キャラバン」に参加してきました。
「東北キャラバン」とは、20名程のチェロ弾きがチェロと共にバスに乗り込んで被災地域をめぐり、避難所や仮設住宅の集会所、ホールなどでへ音楽を届ける“訪問演奏”の企画で、これまでに計6回行われ延べ1000人のチェリストが音楽を届けてきたとのこと。
本当に参加してよいのか、直前まで実は迷いがありました。被災地に赴くということは、自分がメディアからこれまで得てきた情報以外のものを目にしたり、耳にしたり、肌で感じることがきっとあるだろうこと、それを知るのは怖い気持ちがある一方で、でもそれが現実であり同じ日本に住む私たちはそのことを知っているべきだという思い。震災から4年が経ち、音楽を届けることがどれだけの“助け”になるのか、という不安。
いろいろあれこれ考えた末、参加することに決めた「東北キャラバン」でした。

仮設住宅では、涙を流して聴いて下さった方々がおられ、私たちが普段演奏に感動して泣くのとは全く違う涙であろうことを考えると、直視できませんでした。本当に“助け”になっているのか、音楽を届けたことでかえって悲しみを蘇らせてはいまいか、と思うくらいでした。終演後にご高齢の女性が「長生きしてよかった~」とおっしゃっていて、つらい状況でも前向きに生きていらっしゃることが垣間見えた気もしましたが、今回はその言葉が重すぎて、何も言えなかったです。仮設住宅は年数も経ち、雨漏りやカビがひどく生活するのも大変だともお聞きしました。
高校の体育館で生徒さんや先生方を前に演奏しましたが、そちらでも生徒さんとお話する時間がありました。生徒さんたちはみなさん明るくて、震災のときのことから今の学校のこと、将来のことまでいろいろとお話してくださいました。お話した子はお家も無事だったとのことですが、地震のさなか食器が割れたり物が落ちたりする音で叫び声も聴こえないくらいだったと言います。どんなに恐怖だったでしょう・・・。そして震災当時、一番困ったのはやはり「水」だそうです。そして一番助けられたのは「ご近所の方々の助け合い」だそうです。

移動のバス車内でキャラバンに参加された皆さんともお話しましたが、いろいろ考えさせられました。
「風化させないでほしい」というその地域の方々の思いがよく聞かれますが、やはりまず実際に行き、少しでも知ってこうして発信することも一つかと勝手に思いましたが、実際それでよいのかどうかももうわかりません。ただ、音楽を聴いて下さった皆様の中に1つでもプラスになるような何かが残っていることを願うばかりです。

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