第5回 1000人のチェロ・コンサート
仙台から伝えたい、1000チェロの響きに想いをのせて。
チェリスト参加者大募集!
1998年、阪神淡路大震災復興を祈念して行われた1000人のチェロ・コンサートは、これまでに4回を重ねて来ました。第2回、第3回は神戸で、第4回は2010年、広島において恒久の平和を願って開催し、ひとつの集大成になったのではないかと思っていました。
しかし、2011年3月、東日本大震災という未曾有の危機が日本を襲いました。地震、津波、原発事故。東北はいまだに傷ついたままのところも多く、復興も遅れています。私たち、国際チェロアンサンブル協会(ICES)は、1998年に行なった第1回1000人のチェロ・コンサートの、鎮魂と復興を願った真心をたずさえ、仙台に集い、励ましの声を届けたいと決意しました。1人でも多くのチェリストに参加していただきたく、切にお願い申し上げます。
~第5回1000人のチェロ・コンサート概要~
♪会場:ゼビオアリーナ仙台(宮城県仙台市太白区あすと長町1-4-10)
1000チェロ 分奏レポート
1.鳥の歌/スペイン・カタロニア民謡(カザルス編曲)※コンサートマスター独奏
2.アヴェ・ヴェルム・コルプス/モーツァルト
3.讃歌/クレンゲル
4.パッサカリア/ヘンデル(ハルヴォルセン編曲)
5.メロウ チェロ タンゴ/キーベ
6.セレナーデop.29より/ラッヒナー
7.合唱とチェロ 『あすという日が』『千の風になって』
8.スズキ・メソード「鈴木鎮一チェロ指導曲集」より フランス民謡、むすんでひらいて、
さぁ来なさい小さな子どもたち~クリスマスの歌/外国民謡(ファラー編曲)
9.チェロのためのレクイエム/三枝成彰
10.レリジョーソ/ゴルターマン
11.『東北から世界へ』~各国代表曲のメドレー/ミュラー編
♪参加費:国際チェロアンサンブル協会(ICES)会員:21,000円 /非会員:25,000円。
♪参加条件:
1.隣の人の音を聴きながら演奏できる
2.公式練習に4回以上参加できる
3.隣の人にやさしくできる
4.申し込み書の承認事項を承認できる
1000チェロ 分奏レポート 2
1000チェロ 公式練習レポート
1000チェロ 分奏レポート3
1000チェロ 本番レポート
公式練習、申し込み方法について等、詳細は公式ウェブサイト http://1000cello.vc/index.html をご確認ください。
“1000チェロ”について、国際チェロアンサンブル協会理事・1000人のチェロ・コンサート仙台運営委員会事務局長の高橋明さんにお話を伺いました。
――分奏・公式練習はどのようなものですか?
分奏は、日時・場所を告知して、指導者と分奏リーダーのもと、NPO国際チェロアンサンブル協会(ICES)が認定した練習会です。
認定するためにはいくつかの条件があります。告知はICESのホームページに掲載されており、日本全国で多くの練習会が企画されています。東北六県では各県で分奏練習が行われる予定です。
公式練習は、東京、仙台、神戸、小倉、名古屋の五カ所で、直前も含めて10回の予定となっています。この練習は、今回の指揮を担当される田久保裕一先生が指導をして、本番のコンサートをどのような演奏にしていくか、どういう音楽を創っていくかの重要な機会になります。
分奏練習、公式練習ともに演奏に参加するための条件の一つにカウントされるようになっていますが、大切なことは参加する皆さん一人一人が、周りの方の音を良く聴いて、気持ちをひとつにして、コンサートの目的のために努力することです。
――練習はどういった雰囲気ですか?
各地の分奏練習のレポートがホームページで公開されていますので、是非ご覧ください(http://1000cello.vc/bunsou.html)。
ご覧になるとおわかりになるとおもいますが、各地の特色があり興味深いものです。共通していることは、初心者もプロの方も一緒になって、どうやったら改善できるかを真剣にかつ和気藹々と取り組んでいることです。泊まり込みで合宿の様だったというレポートもあります。この機会が得られるまで、合奏もしたことがなかったという方もたくさんおられるようですが、皆さん、練習に参加されて、心配無用だったとおっしゃって下さいます。是非気軽に声をかけて下さい。
――曲目がたくさんありますが、弾けそうな曲だけを選んで参加することは可能ですか?
曲がたくさんあるように見えますが、実際に弾いて見るとあっという間です。また、これから5月までいろいろな工夫をして各地で進めて行きます。初心者の方にはどのように弾いたら、全体のアンサンブルに貢献することができるか、その方法も伝授してくれます。
弾けそうな曲はきっとすべての曲になるはずですから、心配は無用です。
――1000人でチェロアンサンブルする醍醐味はなんですか?
なんと言っても、広い音域と均質な音質が特徴のチェロアンサンブルが、1000人で奏でられるところです。1000人での演奏というものは1000チェロでしか味わえません。筆者は2010年の広島での第4回コンサートにチェロを初めてから5年で参加しました。チェロの深い音が、縄を綯うように一本になって、それがうねっていく迫力、全員が同じ音楽を創りあげているというエネルギーの高さ、そして、カザルスのこころに基づいたボランティア精神などに衝撃的な感銘を受けました。
――チェロ弾きの皆様へのメッセージをお願いします!
今回のコンサートは、2011年3月11日に日本を襲った東日本大震災の鎮魂と復興支援をかかげています。大震災の後に、様々なチャリティーイベントや団体、企画が行われ、大きな励ましと希望を被災地域にもたらしていただきました。被災地域に住むものとして言葉に尽くせない感謝をしております。
1000人のチェロ・コンサートはお金や物ではなく、音楽で上記の目的に貢献しようというイベントです。2011年11月から計6回、1回2日間で5-7回の仮設や避難所でのコンサートを行う東北キャラバンを行ってきました。このキャラバンにはNPOの会員が全国から手弁当で集まり、のべ150人の参加、コンサート回数を掛け算するとのべ1000人が被災地で奏でたことになります。
そこでよく聞かれた感想は以下のようなものです。
「これまで震災について、何かしたいと思っていたが、どうやってよいかわからなかった。ようやく心の荷がおりたような気がする」
「音楽は演奏を聴く人だけでなく、演奏をする人にも同じようにエネルギーがかえってくるものだ。被災地域を訪問して、演奏する私たちが力強く励まされた」
「震災の疵は深く、復興の過程は長い。私たちはその地域とそこに住む人々を忘れない。そのメッセージを発信し続けることにこそ意味がある」
是非このチェロの輪に加わって歴史的なイベントの感動を共にしましょう。
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第4回1000人のチェロ・コンサートでは、5歳から83歳までのチェロ弾きの方が日本に限らず海外からも集まったとのこと。始めて1年にも満たない方から、何十年もチェロを弾いてこられた方まで経験年数も幅広いそうですが、とにかく「みんなでチェロを弾いて参加したい!」という気持ちがあれば、どなたでも参加できるとのことです。少しでも出てみたいと思われた方、ずっと参加を迷っていた方、初めてこのイベントを知った方、皆でチェロの音色を届けましょう!!