加藤 夕貴(かとう ゆうき)先生 愛知県名古屋市守山区
加藤 夕貴先生 プロフィール
愛知県出身。
3歳よりピアノ、8歳よりチェロを始める。
愛知県立明和高等学校音楽科を卒業、愛知県立芸術大学音楽学部器楽科卒業。
これまでにチェロを、吉田顕,小川剛一郎,天野武子の各氏に師事。
現在はチェロ指導を中心に、フリー奏者として音楽活動をしている。
EXILE、水樹奈々、サザンオールスターズ、クアイフなどアーティストライブでストリングスメンバーとしてバックストリングスにも参加。
チェロカルテットEnsemble Celline、弦楽四重奏Livrerメンバー。
全日本ジュニアクラシックコンクール、ブルクハルト国際音楽コンクール審査員。
講師歴12年。
現在までに約100名以上の生徒を指導。
♪ 加藤 夕貴先生に9つの質問にお答えいただきました♪
1.楽器はいつどのようなきっかけではじめたのですか?
最初はリトミックから始めて、音楽教室でピアノを4、5才くらいからやっていました。小学3年生のときにその音楽教室で「チェロのレッスンを始めるからやってみない?」と誘われて、その頃はチェロという楽器は全然知らなかったのですが、ピアノの先生が言うことだからなんでも「はい」と言わないといけないと思い「やります!」と言ってしまったんです(笑)。家に帰って両親に伝えたらびっくりしていましたが、「やると言ってきてしまったのだし、やらせるしかないかな」ということで、チェロを始めることになりました。最初はそんなに真剣にやっていたわけではなく、レッスンをちょっと受けてみる、というくらいでした。ピアノを真剣にやっていて将来はピアニストになると思っていたので、チェロは趣味としてやり、ピアノで音楽高校にも行くつもりでした。母も私を音高に行かせたがっていましたし、ピアノの先生もこのまま頑張ったら音高に行ける、と言ってくださってもいました。
その頃年に2回くらいピアノのコンクールを受けていましたが、コンクールに出て誰かと競うということがだんだん辛くなってきていました。ピアノを弾くこと自体は大好きだし“誰かより上手”というのは嬉しかったのですが、審査員の先生方から厳しい講評をいただくこともあり辛かったです。一人で黙々と練習するのも小中学生の頃は大変でした。
チェロは合奏にも参加していて、誰かと競うのではなく一緒に音楽を作ることが楽しかったんです。それで中学2年生のときにチェロに転科することを決めました。高校受験まであと2年しかなかったので、そこから猛練習しましたね。
2.普段はどのような活動をされていますか?
教えるのと演奏するのと半々くらいです。
教えるということは、レッスンでの指導も大事ですが自分の演奏を見ていただくのも大事だと思っています。私がどんどんレベルアップしていかないと生徒さんたちに教えることもだんだん同じになってしまいます。
演奏活動はチェロアンサンブル・セリーヌや弦楽四重奏Livere、それからクラリネットとピアノと三重奏を組んで演奏しています。自分で企画して演奏会を開いたり、依頼があれば会社やホテルのパーティーでも演奏します。
3.出身地はどこですか?
愛知県一宮市です。
4.どんな子供でしたか?
子供の頃はピアノ漬けだったので、ピアノを弾いていた思い出ばかりです。学校が終わったら自転車で音楽教室に行ってレッスンを受けて、レッスン後遅い時は夜12時まで教室で練習して帰る、という生活をしていました。コンクールの前は平日はほぼ毎日通っていました。
あまり活発なタイプではなかったですが、人のお手伝いなどをするのが好きで小学生の時はずっと学級委員で中学校では生徒会に入っていました。先生たちとお話するのも楽しかったです。
5.好きな作曲家や曲を教えて下さい。
ブラームスとショパンです。
ショパンはピアノをやっていたときから色々な曲を弾いてきたので小学生の頃から好きでした。ショパンのロマンチックな旋律が好きで、弾いていて一番楽しかったです。毎年行われるあるコンクールではバッハの平均律とショパンのエチュードを必ず弾かなくてはいけなくて、バッハは苦手でしたがショパンは好きでそればかり練習していました。
ブラームスはチェロを始めてからどんどん好きになりました。中でもソナタが大好きです。二面性がある感じがして人間味があっていいなと思います。曲も好きですし曲の構成も好きなんです。
教室に飾っていたお花に「ショパン」と「ブラームス」と名前を付けて、水をやるときに呼び掛けていたこともあるくらい好きです(笑)。
6.好きな、或いは影響を受けたアーティストはいますか?
ジャクリーヌ・デュ・プレです。中学2年生の時に、海外のサマーキャンプに一緒に行ったヴァイオリンのお姉さんが、デュ・プレのエルガーのCDと自伝本のようなものをくれました。CDを聴いたらすごく感激して、今までコンサートでいろいろな音楽を聴いてきたけれどCDでこれほど感動できる演奏って何だろうと思い、すごく心が揺さぶられました。初めて聴いた時だけではなくて何回聴いても鳥肌が立つというのもすごいなと思いました。私もこういう演奏ができるようになりたいと思いました。
本にはいいことばかりが書かれていたわけではなく悪い面も書かれていましたが、でもそれによって、「これだけチェロを弾ける人でもこんなに苦しいんだ」と知ることができました。私も当時ピアノで辛いと思う時があるけれど全然比較にならないと思い、私も音楽で頑張ろうと思ったんです。エルガーのチェロコンチェルトをいつか弾けるようになりたいと思えたことは、チェロを真剣に始めるきっかけにもなりました。夢だったエルガーのチェロコンチェルトは大学の卒業試験でデュ・プレと同じ赤いドレスを着て弾くことができました。
7.生徒さんを指導するにあたって気を付けていることはありますか?
それぞれのペースに合わせてレッスンしています。主婦の方やお仕事されている方、お子さんが受験生の方など、生活環境は皆さん違うので、それぞれの生徒さんに合わせてレッスンすることを大事にしています。
それから、自分で上達を実感できる練習方法を探してもらうというのも大事にしていることです。練習すること自体が目的になって「練習しなさい」と言われたから練習する、というふうになると練習したことが身になった実感を持てないことが多いんです。私自身がそうでした。練習する目的は“上達すること”です。上達する練習をするには、上達したということを自分で実感できないといけない。例えば、音色が変わったとか指が動くようになったということが実感できるようになると上達したと思えます。上達を実感できると自主的に練習するようになり、チェロを弾くことがどんどん楽しくなります。私は生徒さんに「練習してきてね」とか「練習した方がいいですよ」とか、普段あまり言いません。本当にチェロをやりたいと思っている方たちばかりなので、やり方さえわかれば自主的に皆さんやってくださいます。私は練習が嫌いだったので、いかに効率よく練習するかということを高校生の頃から考えていて、自分が一番上達を実感できた練習方法を伝えていけるといいなと思います。
そして、継続してもらうことも大事だと思っています。チェロが楽しいと思ってもらえれば自然と継続すると思うので、チェロが苦しい、とならないようにレッスンで上手にサポートしていきたいなと思っています。チェロが楽しくてチェロが好きという気持ちをずっと持ち続けてもらいたいです。
8.先生にとってチェロはどのような存在ですか?
小学3年生の時からチェロはずっとそばにあり、今使っている楽器も中学2年生の時にチェロに転科したときに買ってもらってそれからずっと一緒なので、自分の一部ですし心の支えになっています。中学生のときに友人が亡くなって、中学3年生の受験期でしたが何もできなくなってしまったことがありました。チェロも弾けなくなっていたのですが、チェロの先生が「何も弾けなくていいからレッスンにおいで」と言ってくださって、チェロを持ってとりあえずレッスンに行ったら、そこでチェロを弾くことができたんです。私はまだチェロが弾ける、と思って、そこから他のことも徐々にまたできるようになっていきました。チェロはずっと心の支えになってくれています。それを生徒さんとも共有したいなと思っています。ずっと音楽を続けていれば支えになる時がいつかくると思います。
9.これからチェロを始められる方にエールを!!
チェロを始めるときに年齢を気にされる方がすごく多いのですが、年齢は本当に関係ないと思っています。私の生徒さんで80代後半の方がいらっしゃって初心者でチェロを始められました。若い方のような早さでは進めなかったですが、時間をかけてゆっくりやったらだいたい2年くらいで目標だった荒城の月が弾けるようになりました。自分がやりたいと思えばなんでもできると思いますので、やりたいと思ったらチャレンジしてほしいです!
加藤 夕貴先生に習いたい方は・・・
○藤チェロ教室(愛知県名古屋市守山区脇田町1507番)
藤チェロ教室ホームページ → https://fujicello.com/
加藤先生に習いたい方、ご質問等は、《藤チェロ教室ホームページのお問い合わせフォーム》から直接お問い合わせください。
※プロフィール・質問への回答文の内容は2020年5月現在のものです。
※掲載中の文章・写真の無断転載を禁じます。